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染色ってどんなやり方があるの?その2
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こんにちは!大本染工社員Sです。
前回は「草木染め」と「絞り染め」についてお話しさせていただきました。どちらも工夫次第で色々な模様や色合いを作ることができるとても奥が深い染色技法で、一人一人の個性や味が出せるところが魅力でしたね。
さて、今回ご紹介する染色技法は絞り染めのような技法とは打って変わって、緻密な模様や自分が思った通りのデザインやカラフルな模様が作りだせる「型染め」という技法です。
この技法はとても応用が効くのでいろんな模様を狙って作ることができ、アートやインテリア、小物にも使われるとても重要な技法です!
今回はそんな「型染め」という技法を深掘りしていきます!
型染めとは
「型染め」とは和紙に模様を彫りぬいた「型紙」と、防染するための「糊」を用いて染色する技法です。世界中の染色技法の中でも最も精緻な文様を染め出すことができる技術と言われています!
絞り染め同様、型染めも歴史は古く、その原型と呼べるものは奈良・正倉院の御物にも見ることができます。
緻密な模様を染色でき、古典的な技法でありながら現代のデザインにも適応できるため、現代アートやファッション、インテリアで使用されています。
型染めという技法を使われるもので有名なのは江戸小紋、京友禅、加賀友禅があげられます。
染色業に携わる方でなくても耳にされたことがあるのではないでしょうか。
また、型染めは1色だけでなくカラフルな模様を作ることもできます。カラフルな型染めといえば沖縄の「紅型」(びんがた)が有名です!
・特徴
デザインの多様性
型染めは古典的な日本の文様だけでなく、現代でも使われるデザインや抽象的な模様も作ることができます。とても応用のきく染め方なので、アイデア次第で色々な模様を染色することができます。
精密で美しい模様、豊かな色彩表現
手彫りの型紙を使うため、非常に細かく美しい模様が再現可能です。
型紙は向きを変えたり重ねたりして使うことで色々なデザインが作れますし、複数の型紙を使用し色を変えながら着色することでカラフルな模様を作ることもできます。
日常に取り入れやすい
デザインの多様性から、着物や浴衣に限らず、手ぬぐい、スカーフ、暖簾、洋服など日常で使えるものにも使うことができる技法です。
・染め方
型染めは和紙を切り抜いた「型紙」と「糊」を使うとても緻密なデザインを表現できる染色方法だということが分かりました。でも実際どうやって細かい模様やデザインを生地に染色しているのでしょうか?分かりやすいようざっくりとイメージを添えて解説します!
型紙作り
1. 素材選び
型紙は、柿渋で防水・防湿加工した「柿渋紙(かきしぶがみ)」が使われることが多いです。強度と耐久性のある型紙を使用することで破けることを防止します。
2. 模様のデザインと彫刻
型紙に模様を描き、彫刻刀やナイフを使って模様を彫り抜きます。かなり細かい作業になるので忍耐力が試されます。
3. 紗張り(しゃはり)
型紙の強度やずれ、破れを補うために場合によって紗という網目状の糸を貼ることがあります。
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2. 糊置き
1 .型紙の配置
型紙を布の上に置き、ずれないようにしっかり固定します。
2. 防染糊の塗布
型紙の上から防染糊を刷毛やヘラで塗ります。防染糊は染料を弾く役割を果たし、模様部分が染まらないようにします。
3 .乾燥
糊を乾かしてから染色の工程へ
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3. 染色
染料の塗布
染料を塗ります。糊が塗られた部分は染料が染み込まないのでそこだけ染まりません。
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4. 糊落とし
蒸し
染色が終わった後場合により生地を高温で蒸す場合があります。これは着色した染料を色落ちしないように生地に定着させる為です。
洗い流し
染色が終わった布を水や湯で洗い、防染糊を落とします。これにより、糊で覆われていた部分が模様として現れます。
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5. 完成
乾燥
乾燥させて完成!
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まとめ
今回は「型染め」をご紹介させていただきました。
今回ご紹介した方法の他に防染糊を使用せず型を置いて切り抜いた所に着色するという方法もあります。染め方の組み合わせでデザインのバリエーションはいくらでも作れそうですね!
そして、なんといっても型染めの面白いところは自分の好きな模様を染色できるところ。
型紙を切ってデザインを作るところがかなり難しそうですが奥が深くてとても面白そうだなと感じました。細かい作業が好きな方にはもってこいの染色技法ですね。
以上、型染めのご紹介でした!
次回も染め方についてのご紹介をさせていただきたいと思います。お楽しみに!
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