社員ブログ

染色技術

全然違う!?織物と編物の前処理工程の違い

こんにちは!大本染工社員Sです。
前回と前々回で織物と編物について解説させていただきました。

今回はその知識を踏まえ、弊社での織物と編物の前処理工程の違いについてお話しさせていただきます。
それぞれの特徴の違いや前処理についてはこちらのブログで解説していますので、気になる方はご確認ください。




織物と編物で前処理のやり方を分けるのはなぜ?

織物と編物は違った特徴があることを前回までにご紹介しました。
おさらいすると織物は経糸と緯糸で織られているので、引っ張っても伸びづらくしっかりとした生地になります。
反対に、編物は一本の糸をループさせて編んでいるので引っ張ると伸び、柔らかいなめらかな生地になる特徴があります。
このように違った特徴を持った生地を同じ方法で前処理してしまうと、幅が縮んでしまったりプリントした際に柄がぐにゃぐにゃ、ガタガタになってしまう原因になります。
なので前処理を行う際はこういった特徴を踏まえ、やり方を分ける必要があるんです。



織物の前処理

まず織物の前処理について見ていきたいと思います。
先ほど解説した通り、織物の生地の特性として引っ張っても伸びづらくしっかりとした生地のものが多いです。
テンションをかけても幅が縮んだり長さが伸びたりしづらいので、真っ直ぐに加工したい場合(チェック柄やパネル柄など)にも向いている生地です。
弊社では織物の前処理の場合、機械を使う場合ハンド前処理という2つのやり方を使い分けます。
なぜ使い分けるのか、どのような違いがあるのか2つの前処理の特徴を解説していきます。

・量産に向いている、機械を使った前処理方法とは

最初にご紹介するのは前処理機という機械を使った前処理方法です。
この方法は素早く前処理したい場合、大量に前処理をしたい時に向いている前処理方法です。
スケージという大きなヘラで糊を塗布し、2つの高熱の入ったシリンダーで乾燥させて巻き取る方式で、素早く大量の前処理が可能になっています。
まさに量産にもってこいの前処理方法です。
しかし、熱に弱い生地やニットなどの編み物は苦手としています。
こういった生地の場合はハンド前処理という方法で前処理をします。


・捺染台を使った手張り式のハンド前処理方法とは

チェック柄など、生地が曲がっていると加工が難しい柄の場合、機械を使わず手張りして前処理をする場合があります。この方法をハンド前処理といいます。
生地を台に張ってから、針を使って端から思いっきり引っ張って張る方法です。
量を前処理できる前処理機と違って幅が限られる、乾燥に時間がかかり量産に向いていないデメリットはありますが、生地目を見ながら作業できるのでより真っ直ぐに加工したいものにはこちらの方法での前処理が向いています。
また、シルク生地のように熱で脆化してしまう生地などもこの方法で前処理します。
実際の前処理工程についてはこの後ご紹介しますね。

・編物の前処理

編物もハンド前処理で対応します。
編物を前処理する場合、前処理機を使うとテンションがかかり幅が縮んでしまうため、
弊社ではテンションをかけないように張り機を使って手張りしてから前処理をします。
特に編物の中でもチュールなどの柔らかいものは、テンションによって幅が変動しやすいので注意して行います。

※ニットの場合に使う張り機

※ハンド前処理工程

ハンド前処理は糊を垂らしながら横に移動し、スケージを使って糊を塗布していきます。
生地によって糊を垂らす量を変えたり、移動するスピードを変えながらムラや掠れにならないように前処理していきます。
糊層を一定に保ちながら前処理を行う必要があるので、生地によっては難易度が上がります。

まとめ

今回は織物と編物の前処理の違いについてお話しさせていただきました。
大本染工ではこれまで培った知識や経験を生かし、生地の特性によって工夫を凝らし細かくやり方を使い分けながら前処理を行っています。
生地は生き物」と言われるように、同じ生地でもうまくいったりいかなかったり、同じ方法でやってもプリントのあがりが違ったりなんてこともあります。
その都度原因を考え改善していくといったように、なかなか一筋縄ではいかないところもあるのが前処理です。
そういった前処理の失敗談や苦労話なんかもいつかお伝えできたらと思います。
さて、次回は梅雨が近づいてきたということもあり梅雨におすすめの生地素材についてお話しできたらと思います。また見ていただけると嬉しいです。
ではまた!